日本の伝統的な味として、今も愛されている和菓子を提供する店舗のデザインは、ショップコンセプトによって、また提供したい和菓子の種類によって変化します。お客さまに提供したい和菓子が「素材へのこだわり」「季節を感じる」「希少価値」などを重視するものであれば、それを店舗デザインに活かす必要がありますし、また提供したい和菓子が「気軽に」「いつでも」「誰にでも」を考えたカジュアルなものであれば、そのコンセプトに沿った店舗デザインにする必要があるのです。
いずれにしても、和菓子店に要求される店舗デザインは「そこで販売されている和菓子の味わいを感じられること」であると言えましょう。そのために和菓子店の店舗のデザインには何が必要なのかをここで説明していきます。
和菓子店に必要なコーナーとデザインのポイント
まずは基本的に和菓子店にとって、必要なコーナーにどんなものがあるのかを説明していきます。(ここでは、バックヤード、厨房、イートインスペースなどの販売スペース以外のコーナーは除いています)
季節のテーマを演出するコーナー
和菓子は季節感も大切にされます。お客様の一番に目に留まるスペースとして、時節のテーマを伝えるコーナーです。ショーウィンドウもここに設けます。和菓子店の店舗の顔となるスペースです。
和菓子の製造実演のコーナー
職人が和菓子を作るのが見られる、実演のスペースです。
お客様がここで職人の動きを見ることで和菓子が作られる過程を楽しみ、商品が新鮮であることをイメージできる場所です。
職人が和菓子を作る姿が良く見えるようにすることと、清潔感を大切にし、衛生的で汚れがつかない素材を使用することが望まれます。
できれば、このスペースを設けた方が良いですが、店舗の環境によっては作れない場合もある(インショップである場合やスペースが狭い場合)ことを留意しましょう。
客待ち、応接コーナー
お客様の休憩のスペース。注文した商品の包装を待つ間に休んだり、付添いで来ている人が待っていられるように設置します。ここで和菓子の試食やお茶のサービスも提供できます。
客留まりコーナー
お客様が商品を選ぶために滞在するためのスペース。店舗内の中央に位置します。ここに主要商品を陳列するショーケースを置きます。
サービスコーナー
販売するスタッフがいるコーナーで、ワーキングスペースとしての機能が必要です。お客様の出入りの動向が見やすいことと迅速な対応ができるように余分なスペースを作らないことがポイントです。
ストックコーナー
商品、包装材料やその他の小物を取り出しやすい位置に収納できるようにしてあることが重要です。
ショップコンセプトと合わせて上記のポイントを踏まえた店舗デザインを考えましょう。
業種毎の店舗デザインについて
各業種の店舗デザインについて、下記のページの記事をクリックして、お読みください。